就活ノベル

「やりましたよ、熱血先生!」
「僕もしずかも、次が最終面接です」
「おお、そうか! 良く頑張ったな!」
「「はい!」」
「最終面接は基本、人柄と、入社の意志確認が主だ。今の君たちなら、面接で語るべきこともわかっているだろう?」
「はい、覚えてますよー。正直に、ですよね!」
「あと、会社の未来を想像して、将来どう貢献できるかをアピールするんでしたよね」
「その通りだ。特に最終面接は、君たちの人柄を訊くために色々な質問が飛んでくる。相手の話にちゃんと答えられるよう、しっかりと相手の話を聴くように!」
「あー……その。面接で、ちょっと気になることがあったのですが」
「気になること?」
「はい、実は……ちょっと敬語が苦手で」
「そうなのか?」
「はい。普段使わないせいか、『おっしゃる』とか『頂く』とか『伺う』みたいなのがとっさに出てこないんですよ」
「あー、あたしもあたしも。つい『ぶっちゃけ』とか使っちゃうんですよー」
「ふむ……さすがに『ぶっちゃけ』みたいなナウい若者語は使ってしまうと悪い印象を持たれてしまいそうだからまずいが、尊敬語や謙譲語を正確に使えなければ落とされる、ということはないぞ」
(『ナウい』って……)
「そーなんですか?」
「ああ。面接で見られるのは、君たちの人間性だからな。もちろん敬語が出来るにこしたことはないが、無理してまで正確にやらなければ不合格になるわけじゃない。ただのですます調であったとしても、相手に敬意を持って接することが出来れば充分だ」
「そういうものなんですか?」
「ああ! さっきも言ったが、面接官が見ているのは基本、君たちがどんな人間か、ということだからな。よっぽどの失言をしない限りは、言葉遣いで落とされることはないと思っていい」
「わかりました」
「よし! じゃあ頑張って行ってこい! 必要な考え方というのは、既に教えた!」
「「はい!」」
「そして、もし落ちても落ち込まなくていい。最終面接はどうしても、運の要素が絡んでくる」
「「はい!」」
「もし駄目でも、何度だって相談しに来い!」
「はい! あたしの辞書に、『諦める』なんて言葉はありませんから!」
「確かにしずかの辞書には足りてない言葉が多いよね……もとい。その時はよろしくお願いします」
「ああ、その意気だ! たくさん失敗して、そして理想の就職先を見つけてくれ! 君たちの就職活動は、まだ始まったばかりなのだから!」
まとめ
  • 面接の目的はあくまであなたの人間性を知る事であって、敬語が正しく使えているかを検査するところではない。
  • 敬語に関しては、もちろん出来た方がいいが、敬意を持って丁寧に接することが出来れば基本的なですます調でも大丈夫。

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